先日は、E-neoの研修があり、研修の後大分遅い新年会でした。

研修では、Googleのビジネスモデルを本にビジネス

モデルを考えるというテーマで話をさせていただきましたが、

全体にもシェアできる内容があると思いますので、少し触れさせていただきます。

 

何故ビジネスモデルを考える必要があるか?

それはTechnologyの進化によって、ビジネスモデルを常に設計し続けないと

永続・継続が担保できない時代になっており、そのスピードは年々早まっているからです。

Technologyの進化によって、

・すべてが高速で流通可能に(スピード化)

・技術のコモディティ化

・原価極小化、プロセス・階層の削減

・「情報の非対称性」の消滅

・ボーダーレス化/オープン化

・ネットワーク化

こういうことが起こっていくため、ビジネスの陳腐が早いわけです。

逆に言うと、我々のようなベンチャー企業からすると、一方で、

変化を捉えてビジネスモデルを設計すれば、大きな機会になることもあり、

その鍵を握っているのが現場事業責任者ラインである、という観点から

ビジネスモデルに対する理解と考察を深めていただくための時間でした。

 

更に、Googleということで、有名な「ワーク・ルールズ」から引用をしていくつかの

人事的な課題についても、話をさせて頂きました。

 

現在、離職率は低下しているが、生産性が上がらず下がっているという課題がありますが、

ワークルールズ内には、チームの生産性を上げる10の秘訣というものが書かれています。

決してチームを持っている人だけではなく、すべての人に

参考になることだと思いますので以下に記載します。

 

1 チームメンバーに仕事の意味をもたせる

2 チームのメンバーを信用する

3 自分より優秀な人だけを採用する

4 発展的な対話での心象とパフォーマンスを混同しない

5 優秀なプレイヤーと業績の低いプレイヤーに注目する

6 カネを使うべきときは惜しみなく使う

7 報酬は不公平に払う

8 ナッジ-きっかけ作りをする

9 高まる期待をマネジメントする

10楽しもう(そして、最初に戻って繰り返し)

 

たとえば、1だと非常にわかりやすい研究結果があります。

これは弊社でもよく言われているレンガ積みの話と言っていることは一緒ですが、

具体的な生産性の差まで結果が出ているという事例です。

 

ある大学の寄付金を集めるコールセンターにて、グループを3つに分類して調査した結果があります。

グループA:所定の仕事をこなしただけ

グループB:個人的な利益

グループC:奨学金の受給者が、いかに生活が改善したかを知らせる

その結果、

グループAとBは結果に差は出なかったが、グループCは寄付金の額が約150%増。

 

また、奨学金の受給者と実際に会って、5分間の質疑応答をしたグループは、

寄付金の額が約400%アップしたという結果。

 

これはアダム・グラントの研究が示すように、自分の仕事から恩恵を受ける人と

少しつながるだけで、生産性が向上し、人々をより幸せにできる。

誰もが自分の仕事に目的を求めているということの裏返しでもあります。

 

なので、自分自身がやる仕事、そして人の上に立つ立場の人間にとって大切なことは、

「何のためにこの仕事をしているのか、そしてそれは何の役に立っているのか」

をキチンと、そしてより具体的に伝えていくことが非常に大切ということです。

これは月曜日の朝の朝礼からすぐ皆さんチーム単位で出来ることではないかと。

※直接奨学金の受給者とあって400%ってすごいですよね!

 

 

後は、上記の8番目のナッジ理論もわかりやすく、真似ができやすい考えです。

 

ナッジ=ひじで軽く突く

 

ナッジとは「選択肢を排除せず、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、

人々の行動を予測可能な形で変える選択的アーキテクチャの要素」

 

という考え方なのですが、実際にGoogleでは

「新しく入った社員ができるだけ短期間で戦力になるような振る舞いを上司に促すナッジ」

として以下の研究がなされたとのことです。

 

1)食べ物について好ましい選択をするような情報を提示する:健康に良いものに緑のラベル、悪いものに赤のラベルをそれぞれ貼る。

【結果】☓ 色分けすること自体は社員に好評だが、実際の消費量は変化しない。

 

2)選択肢を健康的なものに絞る:毎週月曜は肉を出さない「ミートレス・マンデー」に。

【結果】☓ あまり効果なし。その上、一部社員から肉という選択肢が減らされたことに対する抗議行動が起こる。

 

3)選択を制限することなく、環境の構造を微妙に変える(=ナッジ):カウンターの目につくところに健康的な菓子を置き、甘くて不健康な菓子は不透明な容器に入れ棚の下のほうに置く(中身がわかるようにラベルは貼っておく)。

【結果】◎ 7週間後、ニューヨークのオフィスの社員が食べたカロリーは310万キロカロリー(=ぜい肉401キロ分)減った。

 

ようは金銭的なインセンティブや、恐怖、畏怖、といった徹底的にやらせきることを

上から命令するといった行為ではなく、

 

「自然に無意識に本人の行動が成果に結びつくような環境を整える」

 

ということであり、これも考えると色々なことが出来るかもしれません。

要素としては情報の共有、透明性、適切定期的効果的な開示、なども言えますよね。

例えばアポなどの目標がなかなかいかず、未達成の個人、チームが、朝礼だけではなく

昼礼での途中報告を入れただけで成果がぐっと上がるなんて経験をしたことがある人も

いるんではないかと思います。これも上記のナッジ理論に近い考え方ですね。

ぜひ、上司が徹底的に横について教える、ここには時間の限界もありますので

一人ひとりが自ら生産性を上げるために何が出来るのか?などということは

常に考えていただくと良いと思います。

 

とはいえ、インセンティブの議論もありますが、インセンティブも私の経験上、

個人よりも、チーム、グループ、事業部、会社全体にかけていき、それを皆で

一体感をもって追っていくほうが効果って出ますよね。

 

 

さて、3月も3分の1が終わり、残り3分の2です。

月末の1週間よりも、今週の1週間がなによりも大切。

そして月曜日1日がもっと大切、そうした思いで仕事に最高の集中力を持って臨みたいですね。